電気工事【求人】
「求人広告に年間168万円。それでも人が集まらなかった。」採用の仕組みを見直し、年間132万円の求人広告費削減につながった電気工事会社様
仕事の依頼は増えている。でも、人手が足りない。
私たちは、従業員10名ほどの小さな電気工事会社です。
地域の工務店様や建築会社様からご依頼をいただき、住宅や店舗、施設などの電気工事を行っています。
ありがたいことに、仕事がなくて困っていたわけではありません。
むしろ、悩みはその反対でした。
仕事の相談はいただける。
新しい案件の依頼もある。
長くお付き合いしている取引先からも継続的に仕事をいただいている。
会社としては、もっと仕事を受けたい。
もう少し事業を拡大したい。
そんな気持ちはありました。
しかし、そのためには人が必要です。
当時の私たちには、新しい仕事を受けるための人員的な余裕がありませんでした。
現場を増やせば、今働いている社員の負担が増える。
残業が増える。
休日出勤をお願いしなければならない。
だから、せっかく新しい仕事の相談をいただいても、
「今の人数では難しい」
とお断りすることもありました。
経営者としては、本当にもったいない状況だったと思います。
仕事がないのではありません。
仕事はあるのに、人がいない。
それが、私たちが長年抱えていた問題でした。
人が足りなくなるたびに、求人広告を出していました。
もちろん、採用活動をしていなかったわけではありません。
人手が足りなくなれば求人サイトに掲載する。
応募が来るまで待つ。
応募が少なければ掲載期間を延長する。
別の求人サービスを利用する。
有料プランを試してみる。
私たちなりに、さまざまな方法を試していました。
ただ、思うような結果にはつながりませんでした。
求人広告を出しても応募が来ない。
1か月掲載して応募が1件。
2か月掲載して、ようやく数件。
応募が来たと思って連絡しても返信がない。
面接の予定を決めても当日来ない。
ようやく採用できたと思っても、数か月後に退職してしまう。
そして、また人が足りなくなる。
また求人広告を出す。
ずっと、その繰り返しでした。
当時の私たちは、
「電気工事業界だから仕方がない」
と思っていました。
若い人が現場仕事を選ばなくなった。
経験者はどこの会社も欲しがっている。
電気工事士自体が不足している。
だから応募が来ない。
そう考えていました。
年間168万円の求人広告費を使っていました。
改めて求人に使っていた費用を計算してみると、年間で約168万円でした。
月平均にすると、
約14万円。
大企業から見れば、それほど大きな金額ではないかもしれません。
でも、私たちは従業員10名ほどの会社です。
年間168万円という金額は決して小さくありません。
それでも、毎年安定して人材を採用できているのであれば、必要な投資だったと思います。
しかし、実際は違いました。
年間168万円を使っても、採用できるのは2名ほど。
さらに、その2名が必ず長く働いてくれるわけでもありません。
採用する。
先輩社員が仕事を教える。
少しずつ現場に慣れる。
これから戦力になってくれる。
そう思っていた頃に、
「退職したいです」
と言われる。
そして、また求人広告を出す。
私たちは毎年、同じことを繰り返していました。
本当に問題だったのは168万円という金額ではありませんでした。
もちろん、求人広告費を減らしたいという気持ちはありました。
でも、今振り返ると、本当に問題だったのは金額ではなかったと思います。
年間168万円を使ってでも、会社に合う人材を採用できる。
その方が5年、10年と働いてくれる。
会社の技術を身につけて、将来的には現場を任せられる。
そうなっていれば、168万円は決して無駄ではありません。
私たちの問題は、
「お金を使っているのに、採用の仕組みが何も残っていなかったこと」
でした。
求人広告の掲載をやめれば、応募も止まる。
また人が必要になれば、再びお金を払う。
私たちはずっと、
求人広告を出している期間しか採用活動ができない会社
になっていました。
「求人広告費を減らす前に、応募されない理由を考えませんか?」
Es Linkさんに相談したとき、最初にお願いしたのは求人広告費についてでした。
毎年100万円以上かかっている費用を減らしたい。
もっと効率よく応募を集めたい。
求人広告以外の方法で採用できないか。
そんな相談をしました。
そこで言われたのが、
「求人広告費を減らす前に、求職者から見て御社で働く理由が伝わっているか確認しましょう」
ということでした。
正直、最初はよく分かりませんでした。
求人情報には必要なことを書いていたからです。
給与。
勤務時間。
休日。
仕事内容。
福利厚生。
資格取得支援。
必要な情報は掲載していました。
でも、改めて自分たちの求人情報を見直してみると、あることに気づきました。
会社名を隠したら、どこの会社か分からない求人でした。
未経験者歓迎。
経験者優遇。
資格取得支援あり。
アットホームな職場です。
手に職をつけられます。
頑張りを評価します。
私たちの求人には、そんな言葉が並んでいました。
もちろん、嘘ではありません。
でも、同じ地域の電気工事会社を調べてみると、ほとんど同じことが書かれていました。
会社名を隠してしまえば、
どこの会社の求人なのか分からない。
求職者から見れば、比較できるのは給与や休日くらいです。
それでは、より条件の良い会社に応募が集まるのは当然でした。
私たちは、
「応募が来ない」
と悩んでいました。
でも実際には、
「応募したいと思ってもらうための情報を伝えていなかった」
のです。
実際に働いている社員に話を聞きました。
そこで、まず行ったのが社員へのヒアリングでした。
なぜこの会社に入社したのか。
入社前に不安だったことは何か。
実際に働いてみてどうだったか。
会社の良いところはどこか。
反対に、大変なところは何か。
どんな人なら会社に合うと思うか。
いろいろな話を聞きました。
すると、経営者である私が考えていた会社の魅力と、社員が感じている会社の魅力が違うことが分かりました。
私は、
安定して仕事があること。
資格取得を支援していること。
技術を身につけられること。
そういった部分が会社の魅力だと思っていました。
でも、社員から出てきたのは違う答えでした。
「未経験で入ったとき、先輩が一緒に現場を回ってくれた」
「分からないことを聞きやすい」
「小さい会社だから社長に直接相談できる」
「前の会社より家族との時間が増えた」
「資格を取ったときに、みんなが喜んでくれた」
私たちにとっては当たり前だったことが、社員にとっては会社を選ぶ理由になっていました。
「電気工事スタッフ募集」では、仕事内容が伝わっていませんでした。
以前の求人情報では、
「電気工事業務全般」
と書いていました。
でも、未経験の方からすれば、それだけでは何をする仕事なのか分かりません。
朝は何時に会社へ行くのか。
現場にはどうやって向かうのか。
最初はどんな仕事をするのか。
工具の名前を知らなくても大丈夫なのか。
一人で現場に行くことはあるのか。
資格はいつ取得するのか。
3年後にはどんな仕事ができるのか。
求職者が知りたい情報を、私たちはほとんど伝えていませんでした。
そこで、仕事内容や入社後の流れを具体的に伝えるようにしました。
求人の良いところだけを書くのをやめました。
さらに、仕事の大変な部分も伝えるようにしました。
夏は暑い。
冬は寒い。
現場によっては朝が早い。
最初は覚えることも多い。
資格を取得するためには勉強も必要。
以前の私たちなら、こういった内容は求人情報には掲載しなかったと思います。
できるだけ良い会社に見せたい。
たくさん応募してほしい。
そう考えていたからです。
でも、良い部分だけを見て入社すれば、
「思っていた仕事と違った」
というミスマッチが起こります。
そこで、良いところも大変なところも伝えるようにしました。
結果として、応募前から仕事について理解してくださる方が増えていきました。
月間応募数は2件から11件になりました。
改善前の月間応募数は平均2件ほどでした。
0件の月もありました。
改善後は、
月平均11件。
約5.5倍になりました。
ただ、私たちにとって一番嬉しかったのは応募数が増えたことではありません。
応募してくださる方の反応が変わったことでした。
「社員インタビューを読みました」
「未経験から資格を取った方の話を見ました」
「仕事の大変な部分まで書いてあったので安心しました」
「小さな会社だからこそ、しっかり仕事を教えてもらえそうだと思いました」
そんな言葉をいただくようになりました。
年間求人広告費は168万円から36万円になりました。
以前は、応募を集めるために求人広告を出し続けていました。
広告を止めれば応募も止まる。
だから、また掲載する。
完全に求人広告に依存していました。
改善後は、普段から会社の情報を伝えるようになりました。
社員紹介。
現場の様子。
一日の仕事の流れ。
未経験から仕事を覚えるまで。
資格取得について。
会社の考え方。
仕事の大変なところ。
さまざまな情報を伝えることで、求人広告だけに頼る必要が少なくなりました。
その結果、
年間求人広告費は168万円から36万円へ。
年間で、
132万円の削減
につながりました。
約79%の削減です。
採用単価は約84万円から18万円になりました。
改善前は年間168万円の求人広告費を使い、採用人数は2名ほど。
採用活動に関するその他の費用も考えると、一人を採用するためにかかる費用は決して小さくありませんでした。
改善後は、年間4名の採用につながりました。
求人広告費だけではなく、採用活動全体を見直した結果、
1人あたりの採用コストは約84万円から18万円へ。
大幅に削減することができました。
半年定着率は50%から83%になりました。
さらに変化したのが、採用後の定着率です。
以前は、採用できても半年以内に退職してしまう方がいました。
半年定着率は約50%。
改善後は、
83%。
応募前から仕事内容や会社の考え方を知っていただく。
良いところだけではなく、大変なところも伝える。
入社後の働き方をイメージしていただく。
その結果、
「思っていた会社と違った」
というミスマッチが減りました。
BEFORE → AFTER
従業員数
約10名
月間応募数
2件 → 11件
年間求人広告費
168万円 → 36万円
年間削減額
132万円
採用単価
約84万円 → 約18万円
半年定着率
50% → 83%
私たちが変えたのは、求人広告の種類ではありませんでした。
会社のことを、求職者にきちんと伝える仕組みでした。
最後に
以前の私たちは、
人が足りなくなる。
求人広告を出す。
応募を待つ。
採用する。
退職者が出る。
また求人広告を出す。
その繰り返しでした。
年間168万円。
従業員10名ほどの私たちにとって、決して小さな金額ではありません。
でも、本当に問題だったのは168万円という金額ではありませんでした。
お金を使わなければ応募が来ない。
広告を止めれば採用活動も止まる。
その状態から抜け出せないことが、一番の問題でした。
今回の取り組みを通して、私たちは初めて、
「会社のことを伝えることも採用活動なんだ」
と気づきました。
どんな社員が働いているのか。
どんな仕事をしているのか。
未経験からどう成長できるのか。
仕事の大変なところは何か。
会社がどんな未来を目指しているのか。
それを普段から伝える。
そして、
「ここで働いてみたい」
と思ってくださった方に応募していただく。
年間求人広告費は168万円から36万円になりました。
月間応募数は2件から11件になりました。
採用単価は約84万円から18万円になりました。
半年定着率は50%から83%になりました。
もちろん、これらの数字も大きな成果です。
でも、私たちにとって一番大きかったのは、
「人が足りなくなったら求人広告を出すしかない」
という採用から抜け出せたことでした。
以前は、
「来月の現場に人が足りるか」
を考えていました。
今は、
「5年後、10年後、この会社を一緒につくっていく人材をどう採用し、どう育てていくか」
を考えています。
人を募集するためだけの採用から、
会社の未来をつくるための採用へ。
それが、私たちにとって一番大きな変化だったと思っています。


